のんびり、ゆったり、日々のつれづれ

悲しかった落し物…指輪

忘れもしない、あれは新婚旅行のときのこと。
今後行かれないだろうと、奮発してエジプトに行ってきました。
直前まで入れなかったピラミッドが、観光日に入れるようになったり(ほぼ貸切)、憧れていたエジプトを堪能していました。
アブシンベル神殿ではナセル湖の夕日を見て、リゾートっぽいホテルに泊まってご満悦。
そこのホテルの洗面所は薄暗くてゴキブリがいてもわからないくらいでした。
翌朝、朝日を見るために早く起きて行く準備をしていたところ、夫が怒りモード。
スーツケースのふたが閉まらない、と目を吊り上げています。入れすぎで片方の金具が曲がったらしい。そのうちポーターが荷物を取りにくるし、夫はますます怒りで頭いっぱい。
仕方がないのでツアーコンダクターに話して、テープでふたを閉めるような形になりました。
夫はずっとカリカリしています。荷物は空港に送られました。それで朝日の神殿を見終えて、ふと夫の手を見ました。
指輪がない。お互いの家に結婚の挨拶に行ったときに記念として買ったもの。安物だけど婚約指輪として大事にしており、私がぬいぐるみの尻尾に指輪をつけてみたら、すごく怒っていた。その指輪が…。
指輪、どうしたの?と聞くと、あ、と言うだけ。スーツケースのことで頭がいっぱいで、ただでさえ見にくい洗面所に置いてきてしまったらしい。もうホテルには戻れないし。
ふつうなら、すぐ「ごめん」という言葉が出てくると思うんだけど、夫は言わなかった。
「あれ、ちょっと大きかったし安物だし、また買えばいい。いいじゃん、たいしたものじゃないんだし」
その言葉に私は爆発しました。周りにツアーの人たちがいたので、ひそひそ声でしたが午前中いっぱいずっと文句を言っていました。かなり夫はうるさがっていましたが、そんなの知るか。
罪滅ぼしのつもりなのか、最後の日にカルトゥーシュを入れたペンダントを買ってくれました。でも、それよりも、私は「ごめん」という一言がほしかったんです。
その言葉を結局言わなかったので、見せしめに指輪をつけたり、何か頭に来ることがあると指輪のことを持ち出します。
今でもあのときの態度は許していませんから…

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